海外で矯正を始めるにあたり、抜歯4本と診断されました。

2016-04-21海外在住14歳女性
海外で矯正を始めるにあたり、抜歯4本と診断されました。

　海外で矯正を始めるにあたり、抜歯4本と診断されました。
　素人目には4本抜歯は多いように感じ不安に思っております。
　妥当な診断であるかお聞かせ願いますでしょうか？
　よろしくお願い致します。

A.はしもと矯正歯科

　はしもと矯正歯科、歯並びTVの橋本公志です。
　矯正治療を行う上で「抜歯か非抜歯か？」というのは一番重要な判断であると言っても過言ではありません。
　歯を削ったり、抜いたりといった不可逆的な処置は一度行うと後には引き返せません。
　しかし、正しい判断に基づき、それが必要な処置であり、良い結果に結びつくものであれば前向きに取り組むべきものでもあります。
　一般に日本人はこの抜歯という処置に結びつきやすい叢生（歯並びが凸凹）の方が多く、またその程度も高度である場合が多く、従って抜歯治療となる比率も高いです。
　統計的な数字は研究者によっても異なりますが、概ね全体の過半数が抜歯症例となっているようです。
　また、抜歯の判断となった場合はその殆どが上下左右の1本づつ、すなわち4本の抜歯となります。
　貴方の仰るように何か感覚的には多いように思われるかもしれませんが、噛み合わせの上下左右の対称性を確保するには致し方ないということですね。
　また無理に非抜歯で治療したり、抜歯の本数を少なくしようとすると他の問題が発生し、治療の質が下がってしまいます。
　海外での医療行為、しかも矯正という長期にわたる治療というのはなにかと不安がつきものですが、この写真から判断する限り抜歯の診断は妥当性も高く、また本数の決定も一般的な矯正治療の基準に沿うものと思います。
　ですから、問題はこの抜歯という判断そのものではなく、心理的な不安の要因が大きいと思われますので、担当医とよく話し合うことが大事と思います。
　医療人が何か処置を行う場合、事前の納得が行く説明が重要であることは洋の東西を問わないと思います。
　これは同じ処置をするにしても半信半疑で進めるのと、納得の上で進めるのでは、たとえ同じ治療結果であってもその満足度は違うと思います。
　ですから、今回の抜歯に限らず、疑問や不安があればその都度良く担当医と話し合いましょう。
　そして、海外（アドレスからすると英国でしょうか？）では「よい笑顔」の価値はむしろ日本よりも高いので、治療後はもっと幸せな人生が待っていますよ！

　はしもと先生、ご丁寧な返信、ありがとうございました。
　永久歯を4本も抜くという事、言葉の問題もあり先生がおっしゃる通り、とても不安に思っておりました。
　一点書き忘れてしまったのですが、現在上が13本、下が14本あります。
　上下左右一本づつの抜歯では本数が揃わない気がしたのですが、これも噛み合わせの関係でこのような抜歯になるのでしょうか？
　お忙しいところ、何度も申し訳ありません。
　他に相談できるところもイギリスでは見つからず、先生のお返事で本当に安堵致しました。

A.はしもと矯正歯科

　はしもと矯正歯科、歯並びTVの橋本公志です。
　当サイトがお役に立てて何よりです。
　さて、上下の本数差ですが、上が1本少ないというのは右上の一番奥の歯が無いということでしょうか？
　他の歯の数から消去法で推測しております。
　もし、この歯ならセオリー通りに4本の抜歯をおこなう矯正医と、抜歯本数を少なくするため3本にとどめる矯正医とで意見が分かれる可能性が考えられます。
　これは「どちらが正解」と結論が出せる問題ではありません。
　3本抜歯をするなら右上の奥歯を全部後方へ移動せねばならず、時間と手間が掛かります。
　手間が掛かる、ということは患者様にとっては「複雑化した装置を長期間口の中に装着する」ことを意味しますし、どんなに手間や時間を掛けても、基本的な噛み合わせが左右で異なってしまいますので、これを避けたかったのかもしれません。
　いずれにせよ、この診断にはデリケートな判断が必要ですし、申し訳ありませんがそうなってまいりますとこの写真だけで判断できる種類の問題では無くなってしまいます。
　従って、前回のお話しど同じになりますが、担当医との話し合いがなにより重要となりますので、抜歯の前によく説明を聞いておくことが要であると思います。
　地球の反対側では「一度拝見させて下さい！」とお願いするわけにも参りませんので、こちらがお役に立てることは限られますが、良い結果となり満足いただけることを日本から祈っております！

　はしもと先生、ご返信本当にありがとうございます。
　抜歯については、先生の意見をお伺いして安堵致しましたので、抜歯本数については、もう一度こちらの担当の先生に話を伺ってみようと思います。
　言葉の壁もあり、不安な気持ちで治療を始めていいものかと悩んでおりましたので、先生からのご返信、感謝しております。
　本当にありがとうございました。