はしもと矯正歯科の橋本です。
指しゃぶりと不正咬合の関連は以前から周知されており、保健所や学校検診などではチェック事項の一つとされており、私たち矯正歯科医も相談にみえた患者様とお話しておりますと「子供の頃、指しゃぶりをしておりまして・・・」というお話を良く伺います。
指しゃぶりと不正咬合(多くは出っ歯)は関連が分かりやすく、指しゃぶりそのものに否定的なイメージがあるため、指導する立場としては「なるべく早くやめさせて下さい!」となるわけです。
ここで少し考えて頂きたいのは、「何故、子供は指しゃぶりをするのか?」ということなのです。
教科書的には指しゃぶりは吸啜反射(何でも吸ってやろうという本能みたいなもの)の一つやその代償として、たまたま指を吸いだし、習慣化したものが多いとされています。それを継続する原因は寂しい、かまってほしい、といった感情が多いといわれております。
従って指しゃぶりが止められないのは情緒の問題で有ることが多いのです。
この事を無視して強制的に指しゃぶりを中断させると(指サックを取れないようにしてしまう、等)子供に情緒障害が発生した事例も報告させております。
ですから、時間をかけて少しずつ止めさせるのが望ましいでしょう。
具体的には夜眠るときには手を繋いであげる、手持ちぶさたで指しゃぶりをしている時にはさりげなく手を持ち上げるなどあくまで徐々に止めさせる方がベターです。
では歯並びとの関連としては何時ぐらいまでに中止させるべきか、ということになって参りますが、これは概ね6歳ぐらいまでに中止すれば、それまでの指しゃぶり由来の不正咬合は消失するといわれており、育児書などでも「就学年齢になると周り(友人)の目が気になる年頃となり、自然に中止することも多い」と書かれております。
お子様は現在3歳とのことですので、あせらず、慌てずゆっくりと止めさせてあげるのがよろしいかと思います。
ですので、病院などへ行っての解決は具体的な解決策に限りもありますのでまずご家庭での指導、気配りから始められることをお勧め致します。
その上でどうしても止まらないなら上記のことを十分理解して、継続して通院出来る専門医への受診を検討してみて下さい。
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