[2010年1月19日] 矯正治療の抜歯について、矯正医も口腔外科医も方針が違い、わからなくなってます。(山形市14歳女性)


 はじめまして。現在、治療中の娘の矯正の相談です。
 犬歯が左右とも乳歯です。永久歯の犬歯が写真の様に左右とも埋没しています(右はほぼ水平で先端が中切歯のすぐ上、左はやや傾いて先端が側切歯の根部をかなり吸収してる状況とのこと)。現在、矯正歯科に通院中で、初めは「乳犬歯2本、右埋没歯(水平)左側切歯」の4本抜歯の予定で手術となりました。
 矯正主治医は右は埋没歯を抜去し、中・側切歯は歯根が吸収されているが何とか残せる、左は側切歯の歯根が吸収が大きくこれと乳犬歯を抜歯しそのスペースに下ろした犬歯をきったりはったりして切歯の形にする方針でした。多数歯抜歯になるので総合病院の歯科口腔外科に紹介されました。しかし、CTなど精査の結果、手術担当医は右の中切歯は根部がかなり吸収されているので残してもいずれ駄目になる、それならば歯根がしっかりある埋没犬歯を中切歯か側切歯の位置に引っ張るのがいい、左はそのまま乳犬歯のあったスペースに下ろすのがいい、もしスペースが足りないなら側切歯か第一小臼歯を抜歯するという方針で、術直前に、全く抜歯はしないで開窓術+プラケット装着となり、埋没歯を下ろしてくる方針になりました。12月25日に手術は行われまして写真の様にプラケット装着となり、右はゴムバンドが着いている状態です。手術担当医からは矯正主治医に連絡しておくと言われたのですが、術後実際に主治医を受診したところ、話が通じていない様でした。
 以上のような状況です。今後どうなるのか想像出来ません。方針が違うことも不安にさせられる要因です。このようなケースではどういう方針でいくのがいいのでしょうか?どの歯が大丈夫で、どの歯が駄目になるのか、全くわからなくなってます。
 ご指導よろしくお願いします。


 はしもと矯正歯科/歯並び.TVの橋本公志です。
 ご相談のメールありがとうございます。
 乳歯の次に控えた永久歯が,本来の場所に生えず,顎の骨の中で迷子になってしまうことがあります。犬歯に多く見られ,迷子の間にそこいらに既に生えている歯の根っこを溶かしながら進んでゆくという厄介なことをしでかしてくれます。
 これを元昭和大学教授の福原達郎先生は著書「歯列矯正のすすめ」で遊走犬歯と名付けており,私も今まで3例ほど遭遇致しました。こうして過去の例が報告されておりますので,貴方のお嬢さんに起こったことは,「見たことがないので,誰も治療法が分からない」ものではありませんが,それほどしばしば見かける物でもありません。
 さて,お尋ねの件は「どの歯が大丈夫で、どの歯が駄目になるのか」とのことですが, 結論から申しますと,頂いた写真だけで,確定診断が出来るのものではありませんので,断定は出来ないと思います。しかし,治療の目的や方向性はハッキリとしています。
 それは「出来るだけ歯を救ってあげて,良い歯並びを構築する」ということです。文面で判断する限り,担当した矯正医も口腔外科医も,それぞれのフィールドでベストを尽くしているように見えます.
 矯正医は「現状がどうであれ,最終的にどういう歯並び,噛み合わせを構築するか?」 ということを中心に物事を考え勝ちですし,口腔外科医は「現状で,何処がどんなダメージを受けており,何処を取り除くか,どうやって回復させるか?」という発想で物事を進めてゆきます。
 文面からの経過ではCTなど後から多くの情報を得て,矯正医の判断を変えた様子ですが,こういったことは,矯正処置由来で口腔外科に依頼を行う場合,あくまで骨の中の状況をその場で目の当たりにするのは外科医ですのであり得ることです。
 このケースでは,結果的に「現時点で抜歯を行っていない」ので,現状ではまだ「失っ た物」はありません。ただし,また現状では口腔外科医の診断の通りに右の中切歯は根部がかなり吸収されているので残してもいずれ駄目になる、それならば歯根がしっかりある埋没犬歯を中切歯か側切歯の位置に引っ張るのがいい、左はそのまま乳犬歯のあったスペースに下ろすのがいい、もしスペースが足りないなら側切歯か第一小臼歯を抜歯するという方針の通りの方針で治療が可能かどうかは分かりません。
 つまり,こういったケースでは正直「やってみないと分からない」ことが大変に多いのです。事前に正確な予想を行うのは大変に困難です。結果的に現在までの経過は,「歯を抜かない」と言う所で進行している様ですが,今後の経過で,やはり無理な物は抜歯になるでしょうし,少しでも望みがあるなら,残して噛み合わせに参加させることになると思います。
 従って,私が個人的に感じるのは,貴方が遭遇している最大の問題は,貴方と矯正医と口腔外科医の間で,コミニケーションがうまく取れていないことかと思います。実際の診断や治療方針について,私の立場で「こうあるべきだ,あーするべきだ」とは申せませんが,少なくとも経過は間違っていないと感じます。ですので,今一度,担当矯正医,口腔外科医とじっくりと話し合ってみては如何でしょ うか。
 些か複雑なケースの為,文章が長くなってしまった事をお詫び致します.
 また,この回答が,貴方のお役に立てたかどうか,分かりませんが,お嬢さんの歯が今後出来るだけ綺麗に長持ちすることを願っております。

はしもと矯正歯科、院長 橋本 公志、大阪市・福島区・海老江、野田阪神駅徒歩1分  歯並び.TV、小児矯正歯科・予防矯正・装置の違和感・子供の早期矯正治療・更正(育成)医療指定機関、海外の歯科治療・矯正歯科、土日も診療


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