はしもと矯正歯科の橋本です。
乳歯の虫歯が悪化して化膿してくることは珍しいことではありませんし、根治が長引くこともよくあることです。
そして根治があまり長引くと下に控えた永久歯に悪い影響を与えるため、見込みが薄ければ抜歯する判断を行うこともまたしばしばあり、これは小児歯科の教科書にも記載されていることです。
文面から判断すると恐らくその乳歯は六歳臼歯(これは永久歯、現在一番後ろに生えていると思われます)の一つ手前の第二乳臼歯ではないでしょうか?
もし、それが第二乳臼歯で、数ヶ月以上根治が続いて改善する見込みが薄いなら、抜歯してスペースを維持する装置を用いるのは順当と思われます。
ここで注意が必要なのは、この処置は厳密に言うと「咬合誘導」と呼ばれる処置で「矯正」ではありません。
この二つの処置の違いは簡単に言うと「歯並びが悪くなる可能性があれば早めにそうならない様にするのが咬合誘導」。
これはどちらかといえば小児歯科の範疇ですし、「現在悪い歯並びをよくするのが矯正」で矯正歯科の範囲となります。
無論、この二つは重なる部分もあり、例えば当院でも咬合誘導を行う事もありますし、小児歯科医院で矯正装置を使って誘導することもあり、患者さんにとっては区別が付きにくい物の一つです。
したがって今回貴方が悩んでおられる問題は「診断、処置が順当か?」というよりこのあたりのコミュニケーションの問題でしょう。
お子さまは現在7才とのことですが、もし、抜歯の判断が正しければ咬合誘導(この場合スペースを維持する処置)は行った方がベターべしょうが、担当医が「矯正」という言葉を使って、本当に矯正処置を視野に入れているなら、通常いまから最低5年はか
かる治療になりますので、どこをどこまで治療するのか、また料金などを充分話し合ってから決められることをお勧め致します。
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