7歳の娘の反対咬合について、下あごを抑制するか上あごを成長させるか、病院によって意見が違います。
矯正の先生に相談にいったところ、A病院は下あごが大きいので、永久歯がはえるまではチンキャップで様子をみましょうと言われました。B病院では、リンガルアーチとT4K(トレーナー)をつけましょう。2年後に再評価をして、たぶん前方牽引装置をつけるようになるでしょうと言われました。
治療が下あごを抑制するか、上のあごを成長させるかでまったく違うような気がするのですが、どちらがいいのでしょうか?悩んでいます。
診断名は叢生を伴う下顎前突skeletal 1 (defintive class3 or marked class3)水平的下顎−2.8などと書いてあります。私にはよく分からないのですが、参考になればと書きました。
忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。



はしもと矯正歯科の橋本です。
反対咬合は日本人には比較的多いタイプの不正咬合で、欧米人が殆ど上顎前突であるのとは対照的です。
この治療に用いるチンキャップは、矯正装置の中でも最も歴史の長いもので、かねてより多くの研究者たちが効果について論じて来ました。
また人間の成長についても「どの部分がいつ頃、どこまで大きくなるのか?」という研究テーマはいまでも盛んに議論されておりますが、なかなか矯正臨床に完全に対応させるのは困難な様です。
さてお尋ねの「チンキャップか上顎前方牽引か?」という問題ですが、これは矯正医や研究者の間でもいまもって結論がでないテーマのようです。
比較的新しい論文では、チンキャップの効果を疑問視する声が多く、一言でいえば「長期間、患者様に装着する努力をようする割に効果が上がりにくい」という事です。
またある人は「昔から用いられてきた物だし、下顎の成長を抑制するには他に選択肢がない」という意見もあり、実際のところはそれぞれ臨床医の経験的な判断によるでしょう。
無論、本来の道筋からいけば反対咬合の原因が上顎の後退、劣成長ならば上顎前方牽引を行うべきですし、下顎の過成長ならばチンキャップを用いる、というのが正論です。参考に記載して頂いたデータではこのどちらかが不明ですが、skeletal 1という
判断が正しければこれは「骨格的にさほど不正ではない」ということ
ですので、7才という年齢からすれば、今後の成長に問題がなければ結果的には(A病院・B病院とも専門医がキチンと対処するなら)あまり変わりは無いと思います。
補足として少し付け加えさせて頂きますと、小学生の反対咬合を正常被蓋(前歯の反対のかみ合わせを正常にすること)にするのは多くの場合(よほど重症でなければ)それほど困難な事ではありません
もし、7才の反対咬合で一番問題になるのは今後の成長という事になります。
一時的に正常被蓋になっても、下顎の成長が上顎を上回ると思春期以降で元に戻ってしまいます。
そこで事前に成長予測を行って今後を行く末を考えるわけですが、現在矯正医が使っているデータはあくまで「正常に成長した場合」何年後にこの部分がこれだけ大きくなる」といった物です。
したがって遺伝的な要因を持つ場合、思春期で下顎が予想以上に大きくなるケースでは対応できず、事前の予想は困難なのです。
従って経験豊富な専門医ならば、もし過成長の兆候があれば上顎下顎両方にアプローチをかけることもあります。
現実問題としては成長過程を見守りながら、状況に応じて対応して行くとういことになりますので、両病院とも基本的な技量が確かならば、一言でどちらが正しくどちらかが誤りとは言いにくいと思います。
今回のご質問自体は明快な疑問でありましたが、テーマ自体は学問的にも未知の部分を含んでおりますので、回答にいささか歯切れの悪いところがあったことをお詫びいたします。



先日、7歳の反対咬合(病院の治療方法が違う)で相談させていただいたものですが、すごく分かりやすい回答ありがとうございました。おかげで悩んでいたことがすっきりしました。
歯のことはどこに相談すればいいのか分からなくて、ずっと悩んできました。こんな風に相談にのっていただき、きちんと回答していただけて本当に感謝してます。
本当にありがとうございました。


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