はしもと矯正歯科の橋本です。
アンカーインプラントを併用した矯正は元々矯正治療で改善できる範囲を拡大したり、装置を単純化したりするのが目的で、期間の短縮はどちらかといえば「副産物」のようなものです。
臨床応用が始まって10年以上が経ちますが、現在では期間の短縮の為に用いられることも多くなって参りました。確かに外科処置は必要ですが、外来(入院の必要などはありません)での処置ですし、手術時間も経験のある先生なら20分程度ですし、場合によっては虫歯の治療よりも痛みは少ないかもしれません。
デメリットといえば外科処置である以上多少のリスク(歯磨きなどの管理が悪いと腫れたりする)があること、矯正とは別の費用負担が発生することでしょうか。
方法論としてはこれによって得られる患者様の利益を考えた場合かなり優れた物であると思います。
お尋ねの13才のお子さまにたいしてですが、不可能ではありませんが基本的にはお勧め致しかねる部分があると思います。
と申しますのは男子で13才ということを考えますと、今後の成長が見込まれますので、この時期の治療は今後の成長量を考慮して進めてゆく必要がありますが、インプラントを用いると、期間が短いのはすばらしいのですが、治療後(装置が外れてから)な
お成長があるといったん完成したかみ合わせが崩れる場合があります。
通常の矯正治療ですと一般的には2年以上はかかりますので、成長を確認しながら進行して行く事になります。
治療計画の立案段階から13才の時点で残りの生長量を厳密に計算してその通りならば問題ありませんが、その通り(少なくとも矯正治療で対象となる1mm以下の精度で)にならなければ最悪の場合、後でもう一度装置を付け直さなければならないことも考えられます。
加えて中学生程度の人の骨にインプラントを植え込もうとするわけですから、ブレードタイプの場合打ち込んだ部分は成長ができず、別の問題が発生する可能性があります。
歯科用インプラントそのものは、それなりに(半世紀以上)歴史がありますが、10代半ばの方に対してそれほどニーズがあったわけではありませんので、(多くの患者様は成人後ですので)現在十分な臨床データがあるとは言い難いと思います。
したがって貴方のお子さまが「多少のデメリット、リスクは覚悟するのでとにかく今すぐ初めて、出来るだけ早く終わりたい」という強い希望をお持ちならばインプラント矯正はそれに対する一つの明確な回答かもしれません。
しかし、デメリット、リスクがあることを考えると、時期をずらせるなり通常の矯正治療を受けられることをお勧め致します。
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