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小学校一年生の息子の反対咬合のことです。「前歯の後ろに指を当てて朝昼晩二十回づつ押し出すように。」と小児歯科医に言われ、昨夜より押しています。問題ないのでしょうか?
お忙しいところ、恐れ入ります。
小学校一年生の息子の母です。
反対咬合のことでお尋ねします。
近くの小児歯科に、半年に一度健診に通っています。
三歳の頃は、前歯六本で、少し上の歯の方が引っ込んでいました。
全く後ろに引っ込んではいないため、夜歯軋りをして前歯が減っていました。
現在は、下の顎を引くようにすると、前歯四本が歯の先端で当たります。
かかりつけの先生は、以前より「上の前歯が生え変わるころが勝負だよ。」とおっしゃっていて、昨日診ていただいたところ、「前歯の後ろに指を当てて朝昼晩二十回づつ押し出すように。
10日もすれば前歯がぐらぐらしてくるから、また受診するように」とのことで、昨夜より押しています。
しかし、「丈夫な歯をぐらぐらさせていいものか」不安になり、夫にもインターネットで調べてみるよう言われましたが、インターネットでは「親が歯を指で押す」などということは出てきません。
ますます不安になってしまいました。
このまま、押し続けて問題ないのでしょうか。
なお、子どもの歯は、虫歯は無いものの、歯と歯の間のすき間はほとんどなく、下の歯も、多少中央の歯に比べその脇の歯が後ろから出ています。
奥の臼歯が四本、下の前の歯が四本、上の前の歯が2本永久歯になったところです。
また、通っているのは小児歯科で、矯正歯科ではありません。
読みにくい文面で申し訳ありません。よろしくお願いします。 |
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はしもと矯正歯科院長の橋本公志です。
反対咬合の治療はその原因に骨格的な要因が含まれている場合、最も長引く治療になりがちです。
また治療技術そのものの歴史も長く、最古の矯正装置は反対咬合のための物とも言われております。
さて、ご子息は三歳の時点で反対咬合であると確認されているようで、現在の心配事は「親が歯を指で押す」といった行為が妥当かどうかという事ですが、矯正医としての見解は現状ではしばらくそのまま継続されても問題はなかろうかと存じます。
歯を指で押す行為は少し以前(20〜30年前)では歯科の教科書にも紹介されておりますし、決して間違ったことではありません。
一部の矯正装置はこの「指で押す」行為を自動化しているにすぎない物もあり、場合によってはこれも大変有効な時もあります。
またアイスクリームについてくるスプーン(木製の物、最近はあまり見かけなくなってしまいました)でを前歯で挟んで上の前歯が外に向くよう先端を持って動かす方法もあります。
もし、貴方のご子息がそういった歯の方向だけの要因でしたら、歯を押すだけである程度の治療効果が見込める場合もあり、現時点では少なくとも悪いことではありません。
生えかけの一時期くらいにしか効果はあまり見込めませんが、仮にうまく行けば長期間矯正治療に通わなくても済む事もありますので、かかりつけの小児歯科医の心配りが優しさを感じます。
指で押す場合の注意点は決して力任せに行わない事と、数週間続けても効果がない場合はあきらめて矯正装置を用いた方が良いと思います。
ただし、この方法が有効なのは骨格的な要因が無く、単に前歯の方向がまずいために反対咬合になっている場合だけです。
もし、うまくいっても一時期良くなるだけで、成長、生え替わりが進んでくると反対咬合が再発することもあり、その場合は専門医の受診をお勧め致します。
この骨格的か否かの判断はなかなか困難で、正しい判断をする事自体に何年も掛かる事もあり、文面だけで判断できる物ではありませんが、もし骨格的な要因があれば、男の子の場合それこそ10年以上の治療に渡る事もありますので、今後も優しく見守ってあげて下さい。
反対咬合の治療は
http://www.hanarabi.tv/qa/04047.html
などを参考にして下さい。 |
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橋本公志先生
以前、小一の息子の反対咬合の件(親が指で押す)で相談のメールをお送りしたものです。
お忙しい中、相談にお答えいただきまして、本当に有難うございました。
すぐにお礼のメールをお送りすべきでしたのに、たいへんに遅くなってしまい、失礼致しました。
お返事をいただいたあと、矯正専門の先生にも診ていただき、推し方の再指導含めご指導いただきました。
子どもの反対咬合が直ったわけではありませんが、親は大分落ち着いて様子を見ていける気がします。
本当に有難うございました。 |