広瀬矯正歯科院長の広瀬豊です。
以下順次質問にお答えします。
(質問1に対する回答)
もちろん個人差はありますが、上顎骨の前方移動量は5mm、下顎骨の後方移動量は15mm、合計20mmが問題のない範囲だと思います。
顎骨延長法を用いれば、上顎骨はさらに前方への移動が可能です。顎骨延長法に関しては、お悩み相談2005年9月27日を参考にして下さい。
(質問2に対する回答)
実際に舌自体が大きいことはまれです。あまりにも大きい場合は舌のサイズを小さくする手術も必要になります。
通常舌の癖があれば、舌のトレーニングを行なうことになりますが、これは発音よりもむしろ後戻りを防止するためです。
受け口の場合は、発音時に空気がもれることにより、サ行の発音などがうまくできないのですが、手術により形態的に改善されるため、発音はしやすくなることの方が多いようです。
(質問3に対する回答)
奥歯の形態を変えることにより、高くすると言う意味でしたら通常はしません。前方の歯との間にステップができるため、術後の安定性が悪くなるからです。
仮に高くできたとしても、下顎の後方回転により前歯部は後方に下がったようにみえますが、骨を切る量はあまり変わりません。
(質問4に対する回答)
確かに単純に切って後方に移動するだけだと、骨と骨との干渉が起こって術後の後戻りの原因となります。
口腔外科医の仕事ですので細かい点は分かりませんが、骨と骨が接する面は滑択にする必要があります。骨と骨とを固定する方法は、金属性あるいは吸収性の特殊な材料でできたプレートでネジ止めします。
全く固定せずにフリーにしておく方法もあります。
外科矯正については「あごのかたち 船木純三著 風人社発行がお勧めです。矯正医が自分自身が患者になった経験を元に手術方法などに関して詳しく書いた本です。
当院の患者さんには、手術までに読んでもらうようにお渡ししています。
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